Leeson14-3 4歳児の気持ちの整理

4歳児の心は揺れる

2歳児のように育児が難しいというわけではありませんが、4~5歳もまたお世話をするのが難しい時期です。なぜなら、発達した自我興味関心が4歳児の心をかき乱しますし、豊富な想像力は叱られないための「うそ」、あるいは荒唐無稽な「うそ」への道を開きます。汚い言葉を好んで使うようになるのもこの頃です。

このLessonでは、4歳児の心の動きについて確認します。

葛藤と喧嘩

3歳のころと同様に、葛藤に悩まされる時期です。自分と他人の関係性を理解して、他人をじっくり観察するようになると、やがては自分もそのように「見られている」ことに気がつきます。自分の考えを通したい気持ち、思い通りにいかない不安……そうした感情の渦の中でやがて激しい感情が湧いてきます。

子どもが自己の葛藤に悩んでいるとき、ベビーシッターは何をすればよいでしょうか。対応は3歳児のときと同じです。子どもの悩みを理解し、より深く共感することで、子どもは自分のことを真摯に受け止めてもらえたと考え、その事実をバネに問題を乗り越えていこうと考えます。

いたわりの気持ち

4歳児まで来ると感情も豊かなものになっています。自分と他人をきちんと区別できるようになっているので、身近な人・他所の子どもの気持ちを察したり、年下の子どもや赤ちゃんに興味を持つようになります。

下の子が生まれると嫉妬するという側面もないわけではありませんが、さすがに3歳の頃よりは落ち着いていますから、きちんと上の子のための時間を取ってケアしてあげれば大丈夫でしょう。

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この時期の子どもは積極的に年下の子どもの面倒を見ようとしたり、お人形遊びで自ら父親母親役を演じたりします。身近な大人の真似をしているだけという可能性もありますが、大人のように振舞おうとする気持ち、小さな子どもの面倒を見ようといういたわりの気持ちの表れでもあるでしょう。このような行動を見たら、「よくお世話ができたね。えらいね」と褒めてあげるのも大事なことです。優しい気持ちを育ててあげましょう。

ただし、子どもはまだ加減が分かりません。人形相手ならまだ良いのですが、年下の子を振り回したり手を引っ張ったりして怪我をさせる可能性もあります。乱暴な行動に出ないよう注意してみてあげる必要があるでしょう。

うそ

想像力が豊かになればうそもつきます。特に怒られないためにありもしないことをでっち上げることが多く、どうすればいいのかとお悩みの親御さんもたくさんいらっしゃるでしょう。叱られるのが怖い、という意味ではしつけが行き届いているとも言えるのですが、それでうそをつくようになっては本末転倒です。

子どもがうそをついたときは、頭ごなしに叱ったり問い詰めたりするのは良くありません、かえって嘘を隠してしまうからです。ここで大事なのは、叱ってしまう前に「もっと自分を見て」「あなたに叱られたくない」「認めてほしい」という真意を探ることです。

自分で着替えができたのに褒めてもらえなかった、といったことが続くと自尊心が傷ついてしまいますから、これを回復しようとしたり注目を浴びたりする手段としてうそを使います。うそは何かしらの要求である、という態度で臨みましょう。

汚い言葉

言葉への興味が膨らんでくる時期です。自分の考えを人に話す楽しさ、養育者や他の友達の話を聞く面白さ、絵本やアニメの内容に沿ったイメージを膨らませること、そういった様々な方面から子どもは言葉に関心を寄せていきます。言葉遊びなぞなぞにも興味を持ちますね。

しかし、同時に汚い言葉を多用する傾向も強くなってしまいます。「ウンコ!」とか罵倒語とか、その手の汚い言葉がどうしても好きになってしまうのです。友達から聞くこともありますし、テレビやマンガからの影響で知ることもありますから、情報源をシャットアウトすることは不可能です。

成長していくにつれて汚い言葉は控え気味になりますから、この時期に出るものはしょうがないと考えるほかありません。食事中などを除けば下系の言葉には無反応を貫くとで、面白くなくなって使わなくなる可能性もあり得ます。

ただ、気を引くために乱暴な言葉を使っている場合は、ちゃんと自分が愛情を与えられているかどうか、今一度省みる必要があります。また、いずれ治まるとは言え、差別的な言動などは厳密に対処する必要があるでしょう。