Lesson14-2 4歳児の遊び方

発達過程に合わせた遊びを

成長の速い子、遅い子でだいぶ差がでます。体や心の発達状況次第で、3歳のころと同じ遊びをする子もいれば、5歳児くらいの遊び方に挑戦する子もいます。

まずは預かる子どもの成長具合を確認し、どのような遊びが子どもの楽しみになるのか、どうすれば体の成長に良い影響を与えるのか、といったことをじっくり考えましょう。

バランス感覚と細部の動き

4歳児の特徴として、ケンケンができるようになるというものがあります。片足立ちで倒れないバランス感覚、足の動きをコントロールする力などが充分に発達してきている証拠です。

また、あることをしながら別のことをする、すなわち2つの異なる動作を統合することのできる時期でもあります。したがって、頭で考えながら、あるいは感覚器官を刺激しながら体を動かす複雑な遊びを試してみましょう。

ダンス

創作ダンスや社交ダンスをさせないといけないのか……と固く身構える必要はありません。大事なのはバランス感覚や動きの制御ですから、曲に合わせてリズミカルに動くだけでも充分な遊びになります。

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最初はピアノなどの楽器を弾きながら、歌を歌って見せながら、その間だけ自由に歩き回れるというルールでやってみましょう(「だるまさんがころんだ」を想像してください)。鳴っている内は歩き、音が鳴り止んだら止まる、といったルールを飲み込めるようになると、椅子取りゲームもできるようになります。ルールに合わせた動きができるようになれば、アップテンポのときはケンケンを、ゆったりした流れならジャンプを、という風に複雑性を少しずつ増していきます。

もし保育所などでたくさんの子どもと一緒に遊んでいたら、他の子供の真似をするということでルールも覚えやすいでしょうが、たとえば自宅で一対一という状況だとなかなか難しいかもしれませんね。そういうときは、録音に合わせて手本を見せつつ一緒に踊ってみてはどうでしょう。

ハサミを使った工作

手先が器用になり、上手にハサミを使えるようになる時期です。また左手で紙を持ちながら右手で切るということもできるようになっているので、ハサミを使った工作に手を出してみるのも良いでしょう。

紙に描かれた線の上をなぞるようにハサミを動かすのですが、直線的なものとジグザグ線、曲線や波線、渦巻き線などでは難易度も違ってきます。複雑な図形を切ろうと思うなら5歳ごろまで待たなければならないかもしれません。遊び始める前に、子どもがどの程度ハサミを使えるのか確認する必要があります。

教材兼遊び道具を作るにあたっては、自分で厚紙に線を引いても構いませんが、子どものハサミ工作用の教材をインターネット上で公開しているところもあります。権利上問題ないものであれば、プリントアウトして厚紙に貼り、実際に使ってみてもよいでしょう。

パズル

小さいピースを飲み込む危険がありますが、付きっ切りで見ていられるベビーシッターならあまり心配はいりません。パズルは知育玩具としてはとても優秀で、比較的安価でありながら小さい子どもが夢中になる要素を秘めています。

もし1歳、2歳のころに数ピース程度のパズルに親しんでいれば、ルールを教える必要もないかもしれませんが、そうでないなら最初は簡単なパズルからはじめていきましょう。4歳児なら最終的には35ピース程度のパズルを解けるようになります。空間認識能力の高い子であれば100ピースほどのものでも解けたりしますので、もし興味があるようでしたら好きな絵柄のパズルで徐々に難易度を上げていきましょう。

集団遊び

子どもは3歳ごろから簡単なルールを理解できるようになります。ルールを守る大切さに気付くのはもっと後のことですが、それでも子供同士で決まりごとを尊重しあったり、一緒にルールを守ることで仲間意識を高めたりする、といったことができるようになります。

つまり、集団で遊びはじめる時期なのです。

ベビーシッターが複数人の子どもの面倒をみる機会はあまりありませんが、保育所や幼稚園、それから公園に集まる子どもたちがどのような遊びに熱中しているかくらいは把握しておきたいところです。

鬼ごっこ

鬼ごっこといっても、普通の鬼ごっこだけじゃありません。もし子どもたちがみんな警察と泥棒の概念を理解していたら、「ケイドロ(ドロケイ)」のような、より複雑なルールのある鬼ごっこに発展することもあります。

また、全員が尻尾をつけて取られたら退場する「尻尾取りゲーム」も子どもたちに人気の遊びです。尻尾を取られまいとするがんばりや、たくさん集めてみたいという収集意欲が刺激されます。

当然ながら体を使った遊びが苦手な子もいますから、尻尾を取られたり鬼にタッチされて負けてしまった子どもは、きちんと慰めてあげなければなりません。滑って転んで怪我をするということも当然あるでしょうから、そういうときのために救急セットを用意しておくと万全です。

逆に、得意な子にとってはこれ以上ないくらいに楽しいことでもあります。その意欲を褒めて伸ばす姿勢を忘れないようにしましょう。