Lesson13-2  3歳児の保育ポイント――遊び方

遊びを全力で楽しもう

集団的な遊びにはまだちょっと早いかなという時期ですが、1人遊びにしたところで2歳児のころと同じではありません。体やバランス感覚の強化は、遊び方にも大いに影響を与えています。

この時期に運動の機会を多く与えると、子どもの運動神経は大いに向上します。運動神経を大人になってから伸ばすのは大変なので、嫌な様子を見せないようであれば、なるべく外で遊ぶようにした方が良いでしょう。

外で遊ぶ

外の自然を使った遊びとしては、たとえば木登りに熱中するようになるころでしょうか。2歳ごろから鉄棒で腕の力を鍛えていた子どももいるでしょうが、体はさらに成長しています。両手両足を使って木の幹にしがみついたり、太い枝にぶら下がったりできるようになっているのです。

木から落ちないように大人がすぐそばで見守る必要がありますし、もし毛虫の発生しやすい木でしたら注意を怠ってはなりません。とはいえ、それだけのリスクを抱えていたとしても、子どもからしてみれば木登りはなかなか楽しいものです。

木の切り株を飛び越えるなど、アスレチック系の遊びにも興味を示します。丸太やロープを使った子ども用のアスレチック広場も良いものですが、ちゃんと3歳児でも危険がないかどうかは事前にチェックしておく必要があるでしょう。大きめのタイヤを使った運動場や砂場も子どもの探検心をくすぐります。

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逆に自然を使わない遊びとしては、大人とのキャッチボール的当てなどが好ましいです。特にキャッチボールは、手をきちんと使う運動であると同時に、大人と精神的に認め合うものでもあります。キャッチボールを介した父親との対話はここから始まるのです。もちろん、ベビーシッターが身近な大人としてキャッチボールの相手になってもまったく構いません。

表現を楽しむ

お絵かき

お絵かきは大事な情操教育です。3歳になると子どもの指先は更に細かい動きを可能とし、おまけに「○○を描いてみよう」という目的意識が出てきます。今まではぐちゃぐちゃな絵を描いていたかもしれませんが、自我や目的意識の発達にしたがって、身近なものを描こうとする意欲が生まれます。

もっとも、「○○を描いてみよう」という意識が育つのは3歳後半の頃で、2歳~3歳ごろの子どもの意識としては、手を動かして出来上がった絵を見て「これは○○」と自分の描いたものを認識するという程度です。ですから、3歳になったからといってすぐに子どもが優れた画家になるとは思わないでください。2歳ごろまでと同じように、描きやすい画材を与えて描いたものを言葉で褒めて、やる気を持続させるようにすると良いでしょう。

ごっこ遊び

ごっこ遊びもまた、自らのたくましい想像力を披露する表現の遊びです。子どもは自分と周囲の大人たちの人間関係を把握することで、大人の演じている役割を理解しますから、3歳からのごっこ遊びはそれまでのものとは異質なものとなります。

1歳児のごっこ遊びは、あくまでもなにかの「ふり」に過ぎません。ものを食べるふり、匂いを嗅ぐふりなど、想像力を発揮して基本的な行動様式を身につけています。

2歳児のごっこ遊びは、木のブロックを動物に見立てて動かしたりするといった「見立て遊び」です。たとえば子どもが人形を手に持って、その人形を親や知り合いに見立ててナレーションをつけたりしますよね。そのような形で社会性と想像力を養っているのです。

3歳児のごっこ遊びはそれらとは違い、自分が他の誰かの役割を演じる、言ってしまえば「なりきり」です。もし保育所などに通っているのでしたら、有名なテレビの番組を集団で演じることもあるでしょうし、絵本の中の動物やお姫様の真似をしたりすることもあります。

子どもの好きなものを把握するのもベビーシッターの仕事です。同じ物語を共有することで子どものごっこ遊びに対応できるようになり、充実したお世話もできるようになるでしょう。