社会性を育む
子どもが社会性を育むためにはいくつもの段階を経ねばなりません。子どもが社会性を育む助けとなるべく、この時期に見られる特徴的な行動や、基礎的な生活習慣に関して学びましょう。
噛み付くのをやめさせるには
この時期の子どもには自我が芽生えてきます。
その結果として様々な思いが生じるのですが、未完成であるがゆえに自分の感情や気持ちを上手く表現することができず、もどかしさのあまり他の子どもに噛み付くなどの行動を取ることがあります。「だめ」とか「ちょうだい」を上手く言葉で言い表すことが出来ない年頃なので、それを「噛む」という攻撃的な行動で伝えようとするのです。
また、子どもはまだ視野が広くありません。たとえば1つのおもちゃを取り合う段階になると、伸びてきた手を「手」として認識できても、手を伸ばした「相手」のことは眼中にない、なんてこともあるのです。したがって、相手が養育者や大切な人であろうと、「手」に対して攻撃を加えてしまうこともあります。
こうした行動はもちろん社会的にNG!ですが、子どもの認識能力が発達するまではなかなか止められるものではありませんし、実のところしつけもさほど有効ではありません。ベビーシッターが取るべき手段は世の母親たちと同じです。すなわち、
- トラブルを未然に防ぐ(おもちゃや遊びの充実)
- 1人1人の子どもにきちんと居場所を与える
- 言葉による表現で問題を解決するよう見本を見せる
などの方法で、根気良く取り組みましょう。
トイレトレーニング
この時期の子どもたちはまだ充分に排泄を制御することが出来ません。しかし生理器官は整いつつありますので、トイレの間隔は次第に空いていきます。尿量の増加に伴い、「○時間後にトイレ」という排泄サイクルが出来上がってきます。
ただし、その間隔もきちんと観察しておかなければなかなか気付けるものではありません。そこで心強い味方になるのがトイレのチェック表です。「何日の何時ごろにおしっこして……」というのをスタンプ形式で構いませんので、表にまとめておくと後で参考にすることができます。
子どもがトイレに行く間隔を把握したら、次は子どものサインをじっくり観察することです。たとえば「股を押さえる」「動きが止まる」「落ち着きなく動き回る」などの行動に出たら、トイレに行きたがっている可能性があります。そこで「おしっこに行こうね?」という風に優しく声をかけながら、子どもをトイレに連れて行き、ちゃんと用を足せたら褒めてあげましょう。
このような地道なトイレトレーニングを積み重ねることで、子どもはきちんとトイレで排泄をする習慣を身につけられるようになります。
食器(スプーン)の使い方
指の動きはまだまだ発展途上ですが、この頃から上腕を動かし物を握ったり離したりすることができるようになります。握力と腕の動かし方さえ身につけば、あとは食べる意欲の問題です。離乳食から幼児食へと移行するなら、ちゃんとスプーンも使えるようにしておきたいところですね。
持ち方としては、最初は一番簡単な「手のひら全体でスプーンの柄を握る」方法を伝えます。上手く握れるようになると、次のステップとして、今度は「手の小指側で柄を握りつつ、親指・人差し指・中指をスプーンの先へ添える」感じの握り方に挑戦させてみましょう。最終的には鉛筆のような持ち方ができるようになるのを目標とします。
スプーントレーニングに誘導する際のコツとしては、毎回「○○くんのスプーンだよ」という風に伝えてスプーンを食卓に置く、子どもの隣に座ってスプーンの持ち方を実演してみせる(食事を美味しそうに食べるのもよいでしょう)、手の指を使うおもちゃをたくさん用意する、などです。