Lesson11-1 生後1歳3ヶ月~2歳までの発達過程

子どもが歩き始める時期

子どもが立ったり座ったりハイハイしたりするのは1歳3ヶ月ごろまでの特徴ですが、この時期になりもう少し成長が進むと、ついに立って歩けるようになります。手や指の動きも洗練され、おもちゃを型にはめたりすることもできるようになります。その発達具合を確認していきましょう。

生理機能の発達、排泄の制御

生理的機能の面を見ると、1年3ヶ月ごろにおよそ身長が70cm~80cm、体重が10kg前後になり、そこから半年で5cmずつ、1kgずつ増加していきます。睡眠時間は徐々に短くなり、起きている時間も1回につき5時間ほどとなります。また、この期間中に乳歯が生え揃い、離乳食から乳児食へ移ることになるでしょう。

排泄はまだ制御できませんが、次第にうんちやおしっこの間隔が空くようになります。トイレトレーニングをする絶好のチャンスですので、クライアントと協力して子どもにトイレのしつけをしましょう。

言葉と表現と社会性の発達

言葉についてはまだ発展途上です。1歳6ヶ月ごろには「マンマ」「ブーブー」などの幼児語を操れるようになり、この時期が終わる2歳ごろになると、扱える語彙の量が爆発的に増えてきます。犬や猫などをきちんと概念化できるようになるのはもう少し後ですが、次第に動物などを種別ごとに区別できるようになります。

表現力も伸びる時期です。絵本をめくったりクレヨンを使って画用紙に殴り描きしたりするようになりますので、お絵かきを推奨するのがよいでしょう。まだ完全に細かい握り方が出来るわけではないので、画材としてはブロック型のクレヨンや握りやすいペンがおすすめです。口に入れたり舐めたりしても悪い影響の出ない素材で作られているといいですね。

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まだ人見知りは抜けませんが、社会性も徐々に伸びていきます。もし保育所などに通っているのでしたら、この頃にはもう1人遊びだけでなく、他の子供と一緒に遊んでいるかもしれません。

自分の気持ちに上手く整理をつけられず、他の子どもに噛み付いてしまうこともあります。これは自分の気持ちが上手く表現できずにストレスを抱く子どもにありがちな傾向です。子育てに問題があるわけではありませんが、しつけには手を焼かされることになるでしょう。詳しくは次のLessonで見ていきます。

全身を動かすことの意味

歩けるようになったことで全身を使う運動も可能になります。たとえば、この時期になると保育所では傾斜のついた道を歩かせたり、布団の山やタイヤの山をかき分けて進んだりする遊びが行われるようになります。歩きたい子どもの散歩欲を満たすために、ころあいを見計らって公園に連れて行くのも良いでしょう。

砂遊びが始まるのもこの頃で、子どもの意識としてはまだ「他の子と一緒に遊ぶ」という感覚があるわけではないのですが、砂場に行って他の子どもたちが遊んでいるのを見て触発されたりもします。砂遊びはバランス感覚を養う上で重要なものですし、ちょっとした登山で足腰が鍛えられるのも子どものためには良いことです。外で遊ぶことで日の光をいっぱい浴びれるのも良いことですね。

ただし、全身を使った遊びが増えるということは、子どもの行動範囲がぐんと広がることでもあります。歩けるようになれば様々な場所に行くようになりますし、筋力と体力がつけばその分わんぱくな行動も増えてしまいます。子どもは大人の真似をするものですから、色々なものに興味を持ちますし、危ないこともします。

子どもが危ないことをしたら、すぐにしつけをしましょう。体罰を加えるのは逆効果ですので、絶対にやってはいけません。危ないことをはじめたらすぐに制止して、それがなぜいけないのかきちんと理由を挙げて説明をします。

クライアントのご家庭によっては0歳児の頃からしつけをやっている、というケースもあるでしょうが、しつけが特に効果的になるのは自我の芽生える1歳半ごろからです。下手に怒ると幼児の心を傷つけるだけに終わってしまいますが、上手くしつけると3歳以降のしつけがとっても楽になります。

子どものしつけについてはクライアントと相談しつつ適切に行うのが良いでしょう。